このページはPR・広告を含みます
グラファイトトースターに「ピザ」「上火」搭載 家電が料理を覚える時代

HOME APPLIANCE GUIDE / BLOG

グラファイトトースターに「ピザ」「上火」搭載 家電が料理を覚える時代

アラジンのグラファイト グリル&トースターに「ピザ」「上火」メニューが加わった。短時間加熱の強みを活かした専用モードが、家庭料理と小型家電の競争軸をどう変えるのかを読み解く。

ニュースの概要

日本エー・アイ・シーは、「アラジン」ブランドの新しいグラファイト グリル&トースターを発表した。大きな変更点は、従来の調理メニューに「ピザ」と「上火」が加わったことである。ピザは専用の設定で焼き上がりを整えやすくし、上火は料理の表面にこんがりと焼き色をつける仕上げ用途を想定している。同社の製品は、グラファイトヒーターによる立ち上がりの速さが特徴だ。今回は、その速さに日常的な調理のレパートリーを重ね、パンを焼くだけの道具から食卓の一品を仕上げる道具へと役割を広げようとしている。

引用元: アラジンのグラファイト グリル&トースターに「ピザ」「上火」メニューを搭載(J-CASTニュース / チバテレ+プラス)

分析・見解

速く熱くなる発熱体が、専用メニューの前提になった

グラファイトヒーターは、電気を流してから短い時間で高い温度に達する。従来のトースターで使われてきた石英管ヒーターは、温まるまで待つ時間が長かった。立ち上がりが速いと、食材が加熱される時間をそれだけ細かく制御できる。

今回の「ピザ」メニューは、この制御のしやすさを使った機能と考えられる。ピザは生地の縁を焦がさず、上のチーズだけを溶かす必要がある。上下の熱のバランスと時間を、あらかじめ決めておけば失敗が減る。

上火メニューは、焼く道具から仕上げる道具への転換

上火とは、食材の上側からだけ熱を当てる加熱のことだ。グラタンやドリアの表面に焦げ目をつける。焼き魚の皮目を仕上げる。炙りチーズのような一品を作る。いずれもオーブンやバーナーの出番だった。

トースターは、パンを焼く道具として売られてきた。ところが家庭では、すでに前日の残り物を温め直す、グラタン皿を入れるといった使われ方が定着している。上火の専用メニューは、その実態に製品の側が追いついた形だ。メーカーが使い方を提案すると、利用者は説明書を読まずに済む。

家電の差は、ヒーターの数字より「迷わなさ」に移っている

小型調理家電の市場では、ワット数や温度の上限で差をつける時代が長く続いた。バルミューダが蒸気を使ったトースターで高価格帯を切り開いたのも、数値ではなく「おいしく焼ける体験」を売ったからである。

アラジンは、グラファイトという独自の強みを持つ。そこへメニュー選択という分かりやすい入口を足せば、料理に不慣れな人でも使いこなせる。逆に言えば、メニューが増えるほど、操作画面が複雑になる危険もある。ダイヤルやボタンの数を抑えられるかが、使い勝手の評価を分ける。

次の競争は、メニュー数ではなく学習と連携に向かう

今後は、メニューを増やすだけでは差別化が難しくなる。ピザや上火のような定番を押さえた先には、庫内カメラで焼き色を判断する方式や、スマートフォンのレシピアプリと連動する方式が待っている。すでに海外のオーブン家電では、食材を認識して自動で加熱を調整する製品が登場している。

国内の小型家電は、価格が数万円に収まる範囲で、どこまで賢くできるかが焦点だ。専用メニューは、その手前にある現実的な一歩といえる。

ビジネスへの影響

小売と販売現場では、実演できる機能が売上を左右する

家電量販店の店頭では、ピザや上火のような用途が明確な機能ほど説明しやすい。「冷凍ピザが何分で焼けるか」を実際に見せれば、購買の決め手になる。メーカーや販売店は、実演用の食材と試食の導線を整えるだけで、成約率を高められる可能性がある。

ECサイトでは、焼き上がりの写真や短い動画を商品ページに載せることが有効だ。数値の仕様表より、「この一枚が焼ける」という具体的な像が購入の背中を押す。

食品メーカーにとっては、共同提案の好機になる

調理家電が新しい用途を打ち出すと、対応する食材の需要も動く。冷凍ピザ、グラタン、チーズ加工品を扱う食品メーカーは、家電メーカーと組んで推奨の焼き方をパッケージに載せられる。

この形の共同提案は、双方に利点がある。家電側は用途の説得力が増し、食品側は「トースターで簡単」という訴求が加わる。まずは自社商品の焼き条件を検証し、メニューとの相性を数値で示すところから始めるとよい。

自社の製品設計で問い直すべきこと

機能を足す前に、利用者が実際に何を作っているかを観察してほしい。今回の動きは、使われ方に製品を合わせるという基本を示している。ボタン一つで目的に届く設計かどうかを、開発の初期から評価基準に入れておく必要がある。

関連記事